むせび泣く様な金属音。
 どこか懐かしげなその音に振り返る。
 ある日、街角で目撃してしまったフォア。
 遠い記憶の中に仕舞われていた筈のフォア。
 当時買う事が出来なかったフォアを
 羨望の眼差しで憧れた。
 土曜の深夜、遠くの国道から切れ切れに
 聞こえてきた、あの排気音。
 フォアだけが奏でる、切なげなあの排気音。
 今では幻になってしまったあの頃の記憶
 だったのに。
 今なら手に入れられるのか・・・・
な〜んておじさんが遂に買っちゃったフォア。
よーし、おじさんはこれで「風になる」のだ!
古い車両だから、購入後いざ街を走り出すと
次々にあちこち壊れてくるのが普通です。
まあ、壊れないまでも、要調整というところが
出てきます。
一つ直せばまたどこか違うところがという
具合に、次々不調になります。
そういうところを一通り整備なり修理して、
持てる力を十分に発揮できるまでには費用も
掛かります。 そうこうして本当の実力を獲
得した愛車フォアですが、これがまた悲しい
ほどに低性能なんですな。
 当時から飛び抜けた性能を持っていたわけでも
 ないですから。
 高性能な現代のバイクの味を知ってしまって
 からでは尚更、この低性能ぶりが我慢できなく
 なるのが普通です。
 このバイクに関して、賛辞ばかりを並べたがる
 人もいますが、これが現実です。
 夢の様な高性能は有り得ませんね。
 「風になる」のは結構大変だったりします。
 当たり前にノントラブルでフォアを楽しむ為に
 はこんな覚悟が要ります。
 しかし性能だけが愛着に比例するものではない
 と言うのも事実です。
フォアというバイクの魅力はズバリこの辺にあ
りそうです。
覚悟を決めてしまった人達のためのクラブが
CB400FOUR OWNERS CLUBなのです。
ノーマルの良さを味わい尽くすも良し、
イジリ倒してより元気に走るもまた良し。
トラブルを克服することもまた楽し。
フォアと過ごす時間を楽しく共有したい、
そんな人達の憩いの場でありたいと、
我らがクラブは考えます。


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